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幼児の「心の理解」を評価する日本語版尺度を初めて整備― 辻教授(リベラルアーツ学科)が妥当性検証に成功 ―

学芸学部リベラルアーツ学科 辻 弘美 教授は、幼児期の「心の理解(Theory of Mind)」を評価する新たな日本語版尺度の開発と、その妥当性の検証に成功しました。

子どもが他者の気持ちや考えを理解する能力(心の理論)は、社会的発達の中核をなす重要な力です。しかし、従来の評価方法は実験課題(例:誤信念課題※1)が中心であり、日常生活での実際の理解の使われ方を十分に捉えられていませんでした。

そこで、この研究で辻教授は、保護者が日常の子どもの行動を評価する質問紙「ToMI-2※2」に着目し、日本語版を作成し検証しました。

この研究により、辻教授は下記3点の結果を残しました。

  • 子どもの社会的理解を日常文脈で評価できるツールが日本で初めて整備された
  • 文化差を踏まえた国際比較研究の基盤が構築された
  • 発達支援や教育現場での評価・介入の可能性が広がった

この“親の視点を活用した評価”は、従来の実験課題では捉えきれなかった「生活の中の社会的理解」を明らかにする点でとても重要とされています。

この研究成果は、発達心理学の国際誌European Journal of Developmental Psychologyに掲載されました。

※1:誤信念課題とは

他者が現実とは異なる信念(誤信念)を持っている場合に、その誤信念に基づいてどのように行動するかを予測できるかを調べる心理学の実験です。この課題は、他者の気持ちや考えを理解する能力である「心の理論」がいつ頃獲得されるかを測定するために用いられます。

※2:質問紙「ToMI-2」とは

親報告式質問紙

『European Journal of Developmental Psychology』

The Japanese adaptation of Theory of Mind Inventory-2: Item Response Theory modelling for the assessment of theory of mind development
https://www.tandfonline.com/eprint/4KDTVJGUYIS4TMWASW5N/full?target=10.1080/17405629.2026.2635023

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